カヤックフィッシングはとても魅力のある釣りのスタイルですが、
始める前に知っておいた方が良いと思うことがあります。
今回の記事では「天気と波の予報」について書きます。
正直、これめちゃくちゃ大事です。
結論:予報を確認せず海に出るのは、場合によっては自殺も同然!
どういうことかと言いますと、
海に出る前は穏やかでも、沖に出た後に天候が急変した場合、
場合によっては最悪死に至ることもある、ということです。
風による危険について
カヤックは船底から水面までの距離(喫水:きっすい)が非常に浅いため、
風の影響を大きく受けます。
風の影響を受ける、とは要するに風に吹かれると流される、ということです。
カヤックフィッシングは手漕ぎ・足漕ぎとありますが基本的には人の力で移動を行います。
カヤックの機種や乗り手の身体能力によって異なるとは思いますが、
一般的には時速4キロ〜7キロ程度で移動することが多いと思います。
極端な例えですが、
あなたが力を振り絞って漕いだ状態で時速7キロとします。
一方で天候の急変で強風が吹き、時速7キロで岸から沖方向に流されてしまう状況になった場合、
どんなに頑張っても岸には戻れませんし、体力が減ってパフォーマンスが落ちれば流され始めます。
漂流し、救助が得られない場合に待っているのは死です。
波による危険について
ホワイトウォーターカヤックとは異なり、
フィッシングカヤックは基本的に激しい波の中でコントロールを取れる構造ではありません。
正面からの波であれば小さな波は乗り越えることが出来ますが、
横から波を受けるのは危険が伴います。
どのような危険かというと、転覆です。
カヤックは高さがせいぜい数十センチしかありません。
50センチの波でもカヤックより高いです。
穏やかな波であれば、波に合わせてぷかぷかとカヤックは浮きますので
風のない日に50センチの波で転覆ということはそうそうないと思います。
(波打ち際は除きます)
しかし、ブレイクした波は話が別です。
横方向への力が発生していますので容易にカヤックを転覆させる力があります。
波は大きければ大きいほど力が強くなります。
どんな時に波がブレイクするかというと、
水深が浅くなる方向に変化している場所を通過する時や、
風に吹かれた時などです。
万が一、そういった波に巻き込まれ転覆してしまった場合、
カヤックに再び乗れなければ当然ですが体は海の中です。
体が海に浸かり続けるのは非常に危険です。
先ず挙げられる危険は低体温症です。
水中では、大気中よりも25倍も早く体温が奪われるそうです。
水温が低ければ低いほど意識が無くなるまでの時間も早く、
条件によって異なりますが、約30~60分で意識不明となり、1~3時間で命の危険があるそうです。
さらに言えば、ストリンガーに魚を吊るして血抜きをしていた場合、
血の匂いでサメがよってきている可能性もあります。
その場合は自分が食べられる側になります。
雷による危険について
釣竿は基本的に避雷針のようなものです。
それが海のように平らな状態の中に、ツンとカヤックの上に立っているのです。
人が雷に打たれた場合、
良くて重症、大体死亡です。
沖に出たカヤックの上で雷に打たれた場合、深刻な状況となる可能性が非常に高いです。
可能性としては、
①即死
②意識不明→落水して死亡(深刻なダメージで泳げないため)
③意識は回復するも深刻なダメージ→航行不能。救助を頼めるかどうか次第。
③のケースでも場所が場所だけに直ぐに救助される可能性は低いです。
命を大事にして下さい
カヤックフィッシングは海の上で行いますので、
市街地の様に直ぐに助けを求めたり、助けてもらえたりする環境ではありません。
しっかりとリスクについて考えて頂き、
出来る限りの対策・準備をして下さい。
風や波の予報が安心して釣行できないものであれば、
その日は諦めましょう。
命や健康があってこその楽しい釣行だと思います。
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